猫を飼うのが初めてだと、何を餌としてあげたらいいのか迷うこともあると思います。ペットの健康を決める上で食はとても重要なものです。たくさんの情報が溢れている中、餌の選び方なども迷ってしまうかもしれません。猫の食事で覚えておきたい、栄養管理の方法や、調整の仕方、与え方なども含め解説していきます。また、猫の食事のときに使う器を選ぶ時のポイントなども一緒に紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
猫の餌を選ぶ時のポイントは?
猫の餌を選ぶときに、種類も多すぎてどれにしたらいいのか迷う飼い主さんもいると思います。
猫の餌は基本的に「総合栄養食」に分類されます。総合栄養食とは、人間でいうところのバランスの取れた定食のような役割をしています。猫にとって餌と水分があれば、健康を維持することができ、理想のバランスになるものです。
そのため、猫専用の餌を選べば、必要な栄養がしっかりと配合されています。
これを踏まえたうえで、何を基準に餌を選んだらいいのでしょうか。
・猫の年齢にあった餌を選ぶこと
猫の餌として売られているもののなかには「成長段階で分かれているもの」と「全年齢向け」の2種類があります。
子猫・成猫・老猫によっても食べる餌が変わり、歯ごたえがあるものはもちろん、消化を重視した柔らかめの餌などもあります。
成猫と老猫では1日に必要なカロリーの量が違いますし、猫の体重(体型)などで調整が必要になることもあります。
基本的には成長段階で分かれているものを選ぶと安心です。
多頭飼いの場合は猫ごとに餌を分けるのは現実的ではないので全年齢向けを選ぶのもいいと思います。
・水をよく飲むかどうかで決める
猫の餌には乾燥させた「ドライタイプ」と、水分を多く含んだ「ウェットタイプ」の2種類があります。
どちらでも猫が好む方を与えて問題ないと思います。
ただ、水分を積極的に飲まない猫や泌尿器系の疾患を抱えている猫の場合は、ウェットタイプを選んでおくと安心です。
猫の様子を見ながら、ドライフードだけの日もあればウェットタイプを混ぜ合わせて与えるようにしてください。
毎日同じものをあげていると猫も飽きてしまうので、ひと工夫をしておくとしっかりと食べてくれると思います。
・こまめに分けて餌を与える
猫に餌をあげるときに、どのぐらいの頻度で与えたら良いのか迷っている飼い主さんもいると思います。
もともと猫は少量を少しずつ食べるような体になっています。
そのため、一度にまとめてたくさんの餌を食べるようにはできていません。
そのため、1日2回~4回を分けて与えるようにするのが理想的です。
子猫の場合はより回数を分けて少量を与えるようにするなど、猫の年齢によっても調整していきましょう。
食べ残しをそのままにしていると衛生的にもよくありませんし、食べ過ぎると肥満の原因にもなります。
猫が餌を食べないときの考え方
猫のなかには、好きな餌は食いつきがよくもっと欲しがるのに、他の餌になると全く食べないなんてケースもあると思います。
体調不良などが隠れている場合もありますが、元気なのに餌を食べないのはより好みをしている可能性があります。
この場合は追加で与えないこと、お腹が空けば自然と食べますのでそのままほっておくようにしてください。
猫は年齢によって、極端に食事の量が減ることはありません。
老猫になったから餌を減らさなくては…とか、餌を食べる量が少なくなるのは自然なことだと思っていませんか。
急に食事の量が少なくなり、あまり食べなくなってしまったときは、何か病気が隠れている可能性もあります。
加齢のせいと判断する前に、まずはどこか体調の悪い部分はないかを確認するようにしておきましょう。
猫に与えてはいけない人間の食事とは?
猫を飼っているとつい、人間の食べているものを与えたくなります。ただ、人間にとっては良いものでも猫にとっては有害になってしまうものもあります。特に猫に手作りの餌を与えている人の場合、間違えて与えてしまうと体調不良の原因になります。具体的にあげてはいけないものとはどんなものがあるのでしょうか。
・アルコール
いまは、感染対策などでアルコールを使っている人たちが多いと思います。
猫たちは、アルコールの成分を分解する酵素をもっていませんのでその為、アルコールという有害な状態のまま体の中に残ってしまいます。
万が一まちがって猫が呑んでしまった場合には、応急処置は不可能なのですぐにでも動物病院に連れて行ってください。
・野菜関係
体に良さそうな野菜ですが、猫に与えるときは注意が必要です。
例えばネギ系(玉ねぎや長ネギ・ニラなど)は、猫に与えてはいけない野菜です。
重度の貧血を起こしてしまうこともあるため、絶対に食べさせないようにしましょう。
これらのネギ科の植物のなかには「アリルプロピルジスルファイド」と呼ばれる成分が含まれています。
猫の血液のなかにある、赤血球を壊して貧血や嘔吐などの不調の原因となるものです。
子猫など、ネギのにおいにつられて、間違えて食べてしまう可能性もあります。
人間の作った餌をあげるときなど、うっかりとネギを入れてしまうことのないように、気をつけてください。
そもそも完全肉食の猫にとって野菜は必ず必要なものではありません。ときに消化不良を起こしてしまうこともあるので、体調の優れないときなど、与えないようにしましょう。
・魚関係
猫にとっては魚好きなイメージもあると思います。ただしチアミナーゼと呼ばれる酵素を含んでいるものは
意識障害や歩行困難なども体調不良を起こしてしまうことがあります。腎臓にも負担がかかるので、猫にはどんな魚でも
OKだと思ってあげてしまうことのないように気をつけましょう。
魚由来の加工食品にも含まれているため、避けるのをおすすめします。
アミナーゼはその他の海鮮関係にも含まれています。加熱していないイカやタコ、海老などに含まれているものになり、猫にとって必要な「ビタミンB1」を分解してしまうと考えられています。
多少なら問題なくても、不足している状態が続くと、嘔吐や下痢などの不調を引き起こす原因になります。
食欲がなくなり体重の減少や背骨の変形などが起きてしまう危険性も考えられます。
加熱するとチアミナーゼの働きがなくなります。たくさんの栄養も含まれているため、しっかりと火を通して与えるようにしましょう。
・貝類
他にも、貝類にも注意が必要です。アワビやサザエなどの貝には「フェオホルバイト」と呼ばれる成分が含まれています。
あまり聞き馴染みの少ない成分だと思います。これは、日光などの強い光に反応する仕組みがあります。
特に猫の皮膚はとても繊細で、毛の薄い耳周辺の場合は、炎症を起こす原因になってしまいます。
光過敏症などの原因にもなりかねません。できれば、猫には貝類、特にアワビやサザエなどは与えないほうが安心です。
・チョコレート
甘い香りのするチョコレートに、寄ってくる猫もいると思います。ただ、絶対にあげてはいけない食品でもあります。
原料として使っているカカオのなかには「テオブロミン」と呼ばれる成分が多く含まれています。
猫の中核神経を過剰に刺激してしまい、嘔吐や下痢、ときにはけいれんなどの症状を引き起こしてしまうことがあります。
基本的には猫が積極的に食べることはないと思いますが、なかには興味で食べてしまうこともあるので、
猫の届かない場所に保管しておきましょう。チョコレートだけに限らず、ココアなどカカオを原料としているもの全般に注意が必要です。
・カフェイン
紅茶やコーヒー、緑茶などなかにカフェインが含まれているものは、猫が口にしてしまわないように気をつけてください。
少量でも、中核神経や腎臓などに影響してしまうことも考えられ、嘔吐や下痢などの不調、頻尿などがおき、中毒症状が
出てしまうこともあります。あまりに摂取した量が多いと死に至るケースもあります。
猫にカフェイン入りの飲み物などを与えることのないように、気をつけてください、
人間にとって良いものでも、猫も同じとは限りませんので与えるときに気をつけてくださいね。
できるのであれば全く与えないほうが猫の体には理想的です。
人間と比べて寿命の短い猫にとってはハイカロリーになってしまうものもありますし、誤飲などの危険もあります。
猫の為にもなりませんので、あくまでも猫用の餌を与えるようにしてください。
・できれば注意したほうがいいもの
猫にあげるのを禁止しているまでではないものの、猫の体調や体質、年齢によって、与えないほうがいいケースもあります。
そのため、他の猫にはあげているから…と安易に判断せず、猫の個体に合わせた内容を考えるようにしてください
牛乳
牛乳にしても飲み物自体は栄養もありますし、害があるものではありません。
ただ、猫によっては乳糖不耐症のケースもあり、牛乳アレルギーを引き起こす原因になることも考えられます。
猫用の牛乳があるものの、なかには人間用の牛乳をあげてしまう人もいます。
猫にあった成分で作られているため、できるだけ人間用は避けるのが無難です。
カルシウムの保有量も多く、尿結石などの不調を引き起こすことになります。
生たまご
また、猫に卵をあげるときも注意が必要です。生の状態の卵には「アビジン」と呼ばれる物質が含まれています。
過剰に摂りすぎてしまうと、体のなかにあるビオチンの量が足りなくなってしまいます。
健康な皮膚や爪などを維持するのに必要な成分になりますので、不足すると皮膚トラブルなどの原因にもなります。
特に子猫など初めてあげるときは、最初は少ない量から調整していき、体質的に問題ないと判断できてから与えるほうが賢明です。
バナナ
他にもバナナなど、糖質も多くカロリーも過剰になってしまいます。食べ過ぎると肥満の原因になってしまうことも考えられます。
与える頻度を考えること、皮を剥いたバナナを1cm程度の大きさに切った状態で与えるようにします。
大きなままあげるよりも食べやすいサイズ感に切っているほうが安心です。
猫の健康には影響ないと言われている食べ物でも、取り入れ方には注意しなくてはいけないものも多いので、与える前にまずは確認しましょう。
・猫の餌は手作りのほうがいいの?
飼い主さんのなかには、市販の餌よりも手作りで餌を作ったほうが安全だと思っている人もいるかもしれません。
なかには消化のいいささみなどを茹でて猫に与えている人もいると思います。
よっぽどの知識を持っている人以外は、手作りの餌だけにするのはあまりおすすめできません。
猫の餌はそもそも総合栄養食になりますし、基本となるベースです。
そこにトッピングとして手作りの餌を与えるのであれば問題ありません。
猫は本来、肉食動物になります。そのため体を維持するためにも肉がとても必要なものになります。
添加物などを極力減らしている餌もありますし、猫専用の餌を選んだほうが、猫の健康維持にも繋がるといえます。
もちろん、手作りが悪いわけではありません。人間の食事ばかり食べてしまうと、なかには猫の餌を食べたがらなくなってしまうこともあります。
そのため、メインは猫の総合栄養食にしておき、ちょっとしたプラスとして用意する程度にしておきましょう。
また、こうした心配があるときは、病院に相談してみる、血液検査などを定期的に受けて、今の状態を確認するようにしておきましょう。
・餌以外の誤食にも注意しよう
餌として与えている物以外に、つい興味を持ったものに対して手を出してしまう猫もいます。
例えば机の上においていたお菓子を食べてしまったなんてケースも少なくありません。
人間の食卓から与えるようにしていると、人間と同じものを食べてもいいと勘違いしてしまいます。
猫はこのあたりを自分で判断するのは難しく、なんでも食べてしまうこともあります。
美味しそうだなと思えば、体に良くないものでも食べてしまう危険性があるため、飼い主さんが意識的に気をつける必要があります。
部屋の観葉植物なども毒性の強いものがあります。また虫なども遊び半分で食べてしまうのですが、
これらに寄生虫などが生息していることもあります。特にお留守番のときは気をつけてください。
少しでも食べてはいけないものを口にしてしまったときは、すぐに動物病院に行くようにします。
無理やり吐かせるなど素人では判断できないため、相談し指示を仰ぐようにしてください。
猫によっても個体差があるので、必ず症状は出るとも限りません。
猫に餌を与えるときの食器の選び方
猫が快適にご飯を食べる為にも、日々使う食器選びも重要です。
・浅すぎず深すぎない猫にちょうどいい形状の食器を選ぶこと
・猫の顔が底に届くようなものを選び、ひげが当たらないのが理想
・安定性が高く滑り止めなどずれることなく食事ができるもの
・安定感もありお手入れのしやすさ、耐久性など陶磁器が最適
こうしたポイントなどを押さえて、猫用の食器を選ぶようにしましょう。
沢山の種類があるなかで、特にどれがおすすめなのかを紹介します。
・BAMBO セラミックフードボウル ホワイト 猫用
お皿部分が斜めなっていて食べ易さを追求したフードボウル。
2種類のカラーバリエーションがあり、お部屋のインテリアにも馴染む木目調のデザイン。
・ZEZE(ゼゼ)ポルカドット フード & ウォーターボウル 猫用
水玉が描かれたかわいい食器です。頸椎を保護するために12°に設計された猫のことを考え抜いたフード & ウォーターボウル。
下に滑り止めがついているので安定感もあり、猫の食事にも最適です。
サイズにも2種類があるので猫の大きさに合わせて選択できます。電子レンジの使用もOKです。
・アースペットTK ステンレス食器
シンプルなステンレス製の食器です。手頃な価格なので定期的に買い替えもしやすいこと、軽く落としても割れることがないので安全性の高さはお墨付きです。ただ、安定感にかける部分もあるので、滑り止めのゴムなどを使うようにして、工夫するのをおすすめします。
・ComSaf 早食い防止皿 猫 ペット食器 滑り止め付 ペットボウル
シンプルなステンレス製の食器です。
ひげが当たらないようにできるので、食事中のストレスを感じることもありません。滑り止めもついていること、
フードが飛び散らないような作りになっているので、掃除の負担も少なく使えます。色も淡く可愛いですね。
■まとめ
猫の餌でどんなものをあげたらいいのか?餌の選び方や回数、与え方など押さえておきたいポイントをまとめてみました。
食は猫の健康を維持するうえでも大切なものです。
できる限り猫の餌を中心に、そのときの体調や体重なども含め最適な餌を選ぶようにしてくださいね。
食器なども見直してみると食べやすくなりおすすめです。