犬を飼っていると、ふと「口臭が臭い」と感じたこともあるのではないでしょうか。ドブ臭いような魚臭いような独特のにおいがしてしまい、困ってしまう飼い主さんもいると思います。今までしなかったのに急に口臭がすると、なにか病気なのでは?と心配してしまう人もいるのではないでしょうか。犬の口臭の原因や対処法について解説していきます。
犬の口臭にはどんな原因があるの?
犬の口臭はそのときによっても違うにおいに感じることがあると思います。口臭の原因によっても、臭いの特徴が変わります。そのため、口臭を解消するにはどうしたらいいのか、見極めるためのポイントにもなります。まずは、口臭の特徴別、犬の口臭にはどんな原因があるのか、詳しく紹介していきたいと思います。
・犬の口臭がドブ臭いときの原因
犬の口臭がドブ臭いときに考えられるのが、口のなかの乾燥です。体の水分が不足していると、口のなかが乾燥してしまい雑菌が繁殖しやすくなります。その結果、口臭などの臭いはが強くなってしまうことも考えられます。口のなかが乾燥しているかどうかは、鼻の状態を確認してみるとわかりやすいと思います。触ったときにカピカピしていると、水分不足になっている可能性があります。また、口腔内の環境に限らず「食糞」が原因でドブ臭くなっているケースも考えられます。犬のなかには本能的なもので糞を食べてしまう犬もいます。噛んでいるため、口のなかに糞の臭いが残ってしまい、ドブ臭く感じることもあります。歯磨きをきちんとしているはずなのに、なんだか口臭が良くならないな…と感じたら食糞が原因になっていることもあります。
・犬の口臭が魚臭いときの原因
生臭いような魚臭いような口臭になっているときは、歯周病が考えられます。本来犬の口腔内は、アルカリ性だと言われています。そのため、普段のドッグフードを食べているだけでも、歯垢がつきやすくなり、歯石ができてしまいます。歯の表面がザラザラしていると、余計に歯垢がつきやすくなってしまい、口腔内の環境がどんどん悪くなってしまいます。その結果、炎症を起こして腐敗臭のようなものが出て来てしまいます。一言で歯周病といっても種類があります。歯茎の状態が良いと特に無臭で気になることはなく、軽度の歯周病になると、卵が腐ったような臭いになります。重度の歯周病になると魚が腐ったような臭いになってしまい、モノアミン酸などが原因になります。歯周病が進むと、顎の骨が溶けてしまうこともありますし、心臓などの臓器に大きな影響を与えてしまうこともあり危険です。
・ドッグフードの独特な臭いが原因
犬の口臭のなかでも少ない可能性になると思いますが、ドッグフードが原因になっていることも考えられます。開封して空気に触れると酸化が進んでいきます。また、酸敗が進むと酸っぱい臭いや味を感じることもあります。これらの劣化したドッグフードを食べることによって、食べかすの臭いが変わり口臭が違うように感じることもあります。ドッグフードを購入し、開封してから時間が経過している場合は、口腔内の問題ではなくドッグフードにその原因が隠れている可能性もありますので、一度見直してみるといいかもしれません。
また、他の原因として、臓器になにかしらの不調が出ていることも考えられます。肝臓や胃腸の調子が悪くなることで、口臭がきつくなることも十分に考えられます。また、腎臓の機能が衰えてくるとアンモニア臭などのにおいを感じることもあり、どこに原因があるのかは、犬の口臭を感じたときは、はっきりとさせておいたほうが安心です。
犬の口臭の対処法は?
犬の口臭が気になる時、どんな対処法があるのかも気になるところだと思います。その原因によっても違いますが、今すぐ実践しやすい口臭の対処法について紹介します。
・歯石や歯垢を取り除くには歯磨き
口臭のにおいの原因が、歯周病などの口腔環境にあるときは歯磨きで取り除くことが大切です。実際に犬の歯の状況を見て、歯垢や歯石などどの程度付着しているのか確認してみてくださいね。もともと犬に歯磨きをする習慣がないときは、毎日の歯磨き習慣から試してみてもいいと思います。ただ、歯石が付着している場合は、歯磨きをしているだけで取り除くことはできず、動物病院などで歯石を取り除いてもらう必要があります。特にドブ臭くなっているときは、歯石そのものが臭いを放っている可能性も考えられます。ちなみに動物病院では、全身麻酔をかけて行わなくてはいけなくなります。費用が負担になりますし、犬の体にも負担がかかります。また、なかには炎症を起こしやすくなってしまうなど、必ずしも口腔内環境が改善されるとは限りません。歯周ポケットがあくことで、余計に食べかすが詰まりやすくなってしまうこともあります。必ずしもメリットばかりではなく、デメリットがあるのも覚えておきましょう。
・水分量を増やして乾燥させない
犬のなかでも水分量が少なく水を飲むのが苦手な犬もいます。ただ水をこまめに出しても、犬が勝手に飲んでくれるわけではないので、いかに工夫して水分量を増やせるかどうかが大切になってきます。例えば、ドライタイプのドッグフードをそのまま出すのではなく、ふやかして水分を含ませたものを食べさせるようにします。またフードをふやかせてできたスープを飲ませるなど、自然と水を飲めるように工夫していきましょう。犬が水を飲まない理由として、水が汚れている場合や、水飲み容器が気に入らないなどの理由が隠れていることもあります。水分量を増やす工夫をしてみて、鼻がカピカピになっていないか、確認してみるようにしてみましょう。特に食後はしっかりと水分をとらせるようにして、食べかすなどが口のなかに残らないようにしておきましょう。
・適度に運動させること
犬の口臭がきになるとき、適度な運動で解消できることもあります。運動と口臭は一見関係のないように見えるかもしれません。でも運動不足でも口臭の原因になってしまいます。犬の代謝が悪いと体のなかに余計なものが溜まってしまい、口臭が強く出てしまうこともあります。犬にとっても運動はストレスの発散になりますし、運動習慣がなく少ない犬の場合は、お散歩の頻度を増やしてみるなど、犬の体調をよく観察するようにしてくださいね。
・内臓系が原因になる場合は病院に行く
犬の口臭の原因が内臓系にある場合は、病院に通院するのも一つの解消方法です。特に口臭のにおいが酸っぱい酸味のある臭いになっているときは、内臓系になにかしらの不調をきたしている可能性が考えられます。そのため、どんなに口腔内の環境を整えようとしても、口臭が消えなくなってしまうことも十分に考えられます。そのため、かかりつけの動物病院に行って、どんな不調が考えられるのか、またどんな治療が必要なのかなども含め相談できると、不調を解消しやすくなると思います。
まとめ
犬の口臭が気になるときは、そのままにせずまずはどこに原因があるのかはっきりとさせていきましょう。歯周病などの口腔内の環境が原因になるとしても、症状が悪化すれば歯が抜けてしまうなどの不調を起こすことだって考えられます。犬の口臭から今の健康状態や、どんな対処が必要なのかもわかってくるはずです。今までと違うなと感じたときは、なにかしらの不調が隠れていますので、日頃の愛犬との違いも含めよく観察するようにしましょう。