普段は気にならないものの、飼い猫の口臭が気になっている飼い主さんもいるのではないでしょうか。何かの病気が隠れているのでは?と心配になってしまいますよね。猫の口臭の原因や、どんな対処法が必要なのか詳しく解説していきます。大切な飼い猫のためにも、日頃から続けられる対策も含め、しっかりと猫の口臭対策を進めていきましょう。
猫の口臭にはどんな原因があるの?
今まで猫の口臭が気になったことがなかったものの、いきなり口臭が気になると余計に不安になってしまう飼い主さんもいると思います。そもそも猫の口臭にはどんな原因が考えられるのか、まずは詳しく解説していきます。
・歯周病などの口腔内環境が悪い
猫の口臭の原因として、最も考えられるのが歯石や歯垢などが蓄積したことで細菌が繁殖しているケースです。歯垢も少量であれば口臭にはなりませんが、蓄積していくことで歯周病などの原因になってしまいます。加齢に伴い歯石の量は増えていくので、日頃から口腔内のお手入れをしておかないと、年々口臭が気になるようになってしまいます。人間でも歯周病が悪化すれば、最終的に歯が抜けてしまうなどの問題が起きてしまうこともあります。また歯周炎になると、口臭だけに限らず出血や痛みが出てしまうこともあります。歯周病は骨や内臓にまで影響してしまうこともあり、簡単に考えないほうがいいと思います。たかが歯周病と考えずに、早めに気付き対処することはが大切です。
・口の中が乾燥している
猫の口の中が乾燥することで、口腔内に原因菌が繁殖しやすくなります。もともと猫は、少しの水でも生命活動に問題はありません。そのため、水を飲むのが苦手な猫もいます。水を飲みたがらない猫もいるため、どうしても乾燥しやすくなってしまいます。もともとドライフード中心の食生活をしていると、口腔内が乾燥している場合もあります。ウェットフードに変更すると、水分補給にはなりますが、歯石も溜まりやすくなります。普段、猫が食べているものも含め鼻が乾燥していないか、確認してみてください。
・口腔内の腫瘍が関係している
猫の口臭のなかには口腔内にあるがんが関係していることも考えられます。口腔内に炎症が起こることで、口臭が発生するようになってしまいます。なかでも最も多いのが扁平上皮癌になり、猫のがんのなかでも多い割合になります。一部の研究では人間のタバコの煙が原因になっていることも考えられるそうです。口腔内にかぎらず、骨にまで届いてしまうこともあり、よだれが多くなるなど今までと違う部分もあると思います。また、重症化すると顎の骨折の原因になるなど、日常生活にも支障をきたすようになってしまいます。口臭と同時によだれが増えているかどうかも確認すること、療法が見受けられるときは早めに病院を受診することも必要になります。
・内臓系になにか疾患が隠れている
猫の口臭がいきなり気になるときは、内臓になにか疾患が隠れていることも考えられます。例えば猫は腎臓病にかかりやすいことでも知られています。老廃物を尿として排出している役割もあるため、通常通りに働いていないと毒素や老廃物が溜まりやすくなってしまいます。その結果、口臭としてアンモニア臭などが気になるようになってしまいます。また、胃腸炎にかかっていると、口臭がきつくなることもあります。もともと胃に関する疾患を持っている場合は、口臭が起こりやすくなります。他にも、糖尿病などを持っているとケトン体によって、口臭の原因になってしまうこともあります。
・においのきついものを食べている
猫の口臭がきになる原因として、においのきついものを食べた後の可能性も考えられます。特に猫の餌の多くは魚など臭いを強く感じるものもあります。ただ、餌が原因の場合は一時的なものになるので、心配せず様子を見てもいいと思います。少し時間をおいても、口臭が変わらないときは、別の要因が考えられます。
猫の口臭の対処法は?
猫の口臭が悪くなってしまったとき、飼い主さんにとってもどうにかしてあげたいと思うと思います。口臭の対処法はその原因によっても違います。猫の口臭の対処法について、詳しく紹介していきたいと思います。
・口腔環境を整えること
猫の口臭が気になっているときに、最も手っ取り早く試せる方法として口腔環境を整えるのも一つの方法です。歯垢の付着を防ぎつつ、歯石の付着を防ぐためにも、毎日の歯磨き習慣を忘れずに行うようにしましょう。猫のなかには歯磨きを嫌がることもあり、今まで歯磨きをしたことがない人もいると思います。猫の健康維持を考えると、歯磨きはとても重要です。週に2回程度でもやらないよりはいいと思います。猫にとっても頻繁に行うことで、習慣化することにも繋がります。歯石は一度付着すると簡単には取り除けないからこそ、日頃のメンテナンスが必要になります。あまりに歯石が付着した状態では、動物病院で歯石除去を行う必要が出て来てしまいます。猫にとっても体に負担がかかりますし、続けることで、歯石の付着を防ぐようにしていきましょう。
・猫が自分から水分補給をしたくなるように環境を整える
猫は自分から積極的に水分をとらないからこそ、さまざまな工夫を行う必要があります。例えば、少しでも水分を多くとるように毎日新鮮な水を用意するのもそうですし、猫が好むような好みに合わせる方法もあります。複数の水飲み場を用意することで、飲む機会を増やすこともできると思います。猫によっても好むスタイルが変わるので、どんなときに好んで水を飲んでいるのか、また鼻が乾いていないかなども含め確認するようにします。水分不足のままでは猫の血液がドロドロになってしまいます。全身の健康管理のためにも、水分補給を意識的に心がけるようにしてくださいね。
・病院を受診して口臭の原因を探る
猫の口臭の原因が口腔環境や水分不足でない場合は、別の原因が隠れているケースも考えられます。そのため、病院を受診して、口臭の原因にはなにが考えられるのかを調べてもらう方法もあります。口臭がきっかけで猫の病気を早期発見することにも繋がるかもしれません。早い段階で治療ができれば猫の体にかかる負担を減らすことにも繋がります。費用面の負担を考えても、早くわかるに越したことはありません。また、日頃から猫の様子をよく観察することで、ちょっとした変化にも気づけるようになります。猫と一緒に過ごしているときなど、飼い主さんだからこそわかる変化もあると思います。病院を受診してまずは口臭の原因を探ることが大切です。そのためにも定期検診を受けるようにしてくださいね。
まとめ
猫の口臭が気になるときは、なにかしらの原因が隠れているはずです。通常であれば餌を食べたあとであっても、そこまで口臭が強くなることはありません。猫は自分で体調不良を伝えられないからこそ、飼い主さんがその異変に気付くことも必要です。猫の口臭がきになるときはまずはその原因をはっきりとさせることが大切です。そのうえでどんな対処法があるのかを探っていきましょう。大切なことは早期発見ができることです。歯石にしても早い段階であれば猫にかかる負担を減らしてくれます。全身麻酔をして歯石をとるのは、できれば避けたいものですよね。毎日のお手入れをしっかりと行うことで、口腔環境を整えていくことにも繋がります。歯磨き習慣はもちろんのこと、歯磨き粉にもこだわってくださいね。