猫を飼っていると、爪切りに苦戦している飼い主さんもいるのではないでしょうか。なかには爪切りを嫌がる猫もいます。ただ、野生ではなく人間と室内で生活している猫だからこそ、爪のケアは必要です。気をつけないと血管まで切ってしまい、猫にとっても爪切りが負担になってしまうことも…。猫の爪切りを楽にしてくれるような商品（用品）もありますので、爪切りのポイントを抑えつつ、しっかりとお手入れしていきましょう。
猫の爪切りで覚えておきたい基本
猫というと、自分で爪とぎをしているので、飼い主さんのなかには「爪切りは不要なのでは？」と思っている人もいるのではないでしょうか。猫も犬と同じように爪切りが必要な動物です。まずは、猫の爪切りで覚えておくべき基本を紹介します。
爪切りの頻度
猫の爪の伸びる早さは、どんな環境で生活しているのかによっても変わります。同じ爪でも、よく使う爪はよく伸びますが、使わないと遅くなるなど差があります。特に猫の親指の爪周辺は、狩りなどで使うこともあり伸びやすいと考えられています。
猫の爪切りは、2週間に1回を目安に爪の状態を確認し切ってあげるようにしてください。
ただ子猫など若いうちは、爪が伸びるのも早くなります。そのため、1週間に1回は爪が伸びていないか、こまめにカットしてあげるとケガを防ぐことにもなります。爪の先が尖っているなと感じたときは整えると覚えておくと、長くなってしまう心配もなくなります。
また、猫の爪切りは基本的に「前足」です。後足は必要が無い限りは無理に切る必要はありません。猫の性格によって後ろ足などを使ってじゃれてくるときは、後ろ足も爪を切って置かないと、飼い主さんのケガの原因にもなります。前足が基本ですが、その猫の習性に合わせて後ろ足も切って、整えるようにしておきましょう。
適切な爪の長さの目安
爪切りは適度な長さに整えるのが基本です。そのため、短く切ればいいものではありません。猫の爪を見ると奥の根元の部分があり、ここは爪切りではカットしません。間違えて切ってしまうと、痛みが強く出てしまい出血してしまいます。猫のなかにはこのクイックの部分までカットしたことが、トラウマになってしまうこともあります。横から見るとわかりやすいと思いますので、適度な爪の長さになるように整えて調整していきましょう。
爪を切らないとどうなるの？
猫の爪とぎは、外側にある古い爪を剥がすためのものです。古い爪を剥がすことで、新しい爪が出てきます。新しい爪は先が尖っているため、引っかかってしまい爪が剥がれる原因になってしまいます。カーテンやカーペットなどの布に引っかかると、爪の根元から剥がれてしまい、出血の原因になってしまうことも…。なかには肉球に刺さりケガをしてしまう、傷口からの感染症も考えられるので、爪を切らずにそのままにしているのは、猫にとってもリスクがあるのです。爪をこまめに確認してケガのリスクを減らしてあげましょう。
猫の爪切りの方法をステップで解説します
猫の爪切りを始めるうえで、まずは必要なものを揃えていきます。猫の爪切り用品には、手前の刃の先にあるくぼみに爪をあてる「ハサミ型」のものと、円状の刃に爪を差し込んで使う「ギロチン型」、自動で行う「電動ヤスリ」などの商品もあります。
爪切りの頻度も多いので、飼い主さんにとって日々のケアで負担にならない方法を探すようにしましょう。他にも、猫が落ち着くように「バスタオル」を用意する、「おもちゃ」や「お菓子」などもあると、爪切り中の負担を減らせると思います。準備をしっかりと行い、実際に猫の爪切りを進めていくようにしましょう。
ステップ1. 猫が落ち着く環境を作る
猫の爪切りで大切なことは、まずは落ち着いた環境に整えてあげることです。人間にいきなり固定されると嫌がる猫もいますので、後ろから抱えるようにしてリラックスさせます。バスタオルなどを使って視界を遮り、体を包んであげることで大人しくなることもあります。猫によっても落ち着く環境は違うので、場所なども工夫しながら猫にとって安心できる環境を整えてあげるようにしてくださいね。
ステップ2.爪を出すために肉球を押す
猫の爪を切るときに、足の上下を指で挟むと、なかに入っている爪が表に出てくるので、爪が切りやすくなります。ただし、あまりに力を入れてしまうと猫が嫌がって逃げてしまうので、優しく押し出すようなイメージで肉球を押して爪を出していきます。また、爪を切るときは、外側からはじめ、徐々に内側の爪を切るようにします。親指の爪を切るのを嫌がる猫が多いので様子を見ながら進めるようにしてください。
ステップ3. 爪のカットをしていく
ここまでの準備ができたら実際に爪を切っていきます。爪先の尖った部分をカットして、爪の長さを調整します。深爪にならないように丁寧に爪を切っていきます。
自宅でできるおすすめ爪切り
ご自宅で飼い主さんが爪のケアを行う場合はペット用の爪切りが必要です。
PET KIT ライト&やすり付き 爪切り (上記の写真)は爪切りの先端にライトがついており、反対側には収納可能なヤスリがついているので、初めて爪を切る飼い主さんでも比較的簡単に爪のケアを行えます。
見た目がスタイリッシュでインテリアの邪魔をしないのも嬉しいポイントです◎
血が出てしまった場合の対処法
どんなに気をつけていても、深く切りすぎてしまう、途中で暴れてしまい出血させてしまうこともあります。そのため、爪切りをするときは、清潔なガーゼと止血剤を用意しておくと、もしものときにすぐに対処でき安心です。血が出てしまったときは、まずは止血が必要になるので、ガーゼを傷口にあてて出血がとまるのを待ちます。止血剤を用意しておくと、もっと短い時間で血が止まるので安心です。急な出血で飼い主さん自身も慌ててしまうと思いますが、冷静に対処してくださいね。飼い主さんが慌てると、それが猫に伝わってしまうので、落ち着かなくなってしまいます。焦らず、冷静に対処してくださいね。
猫が爪切りを嫌がる・暴れる場合の対策
猫の爪切りも、なかには苦手な猫もいるため嫌がってしまい、大変だと話す飼い主さんも少なくありません。これが毎回だと、猫にも飼い主さんにとっても負担になります。嫌がる・暴れる場合の対策として、1本ずつ様子を見ながら進めていくことです。いきなり全部の爪を切ろうとすると、拘束時間も長くなります。猫にとってもずっと大人しくしているのは難しいので、数回に分けて爪切りを進められるようにしてください。また、優しく話しかけながら猫が安心して爪切りができるように、工夫してあげてくださいね。
動物病院、トリマーに依頼した場合の料金相場
猫の爪切りが自宅で難しい場合は、動物病院やトリマーで爪切りをお願いすることもできます。動物病院によっても変わりますが、500円～1000円前後で爪切りをお願いできます。定期検診も兼ねて動物病院に行くタイミングで、一緒に爪を切ってもらえば無理なくケガできると思います。定期的にカットなどでトリマーに行く予定のある人も、一緒に爪切りを依頼することもできるので、一度相談してみてもいいと思います。自宅での爪切りのポイントなども教えてくれるので、爪切りにかかる負担を減らすことにもなります。
まとめ
猫の爪切りは定期的なケアが必要なものだからこそ、子猫のうちから慣らしておくことも大切です。一度でも深爪してしまうなど、痛い経験をしてしまうと、爪切りを怖がってしまう猫も多いので、焦らず爪切りができるように工夫していきましょう。爪切りに使うハサミなどを猫の目の届く範囲に置いておくと、爪切りをするのかな？と気付き、心の準備をすることにも繋がります。爪切りの時期は、あくまでも目安になりますので、爪の様子を見ながら、しっかりとケアしてあげましょう。
